日本財団 図書館


 

(4)港湾のフルオープン化
東アジア主要港の中で、我が国港湾の相対的地位低下の原因の一つとして、24時間フルオープンの体制にないことが挙げられて久しい。特に、北米航路の東アジアの玄関港として立地する京浜港は船舶運航上からも重要な位置を占めている。今後、京浜港がメインポートとして機能するには、可能な限り、利用者ニーズに沿う形で運用体制を組むことが望まれている。この実施には十分な調整を必要とする内容も多々あり、ニーズに沿った柔軟性ある運用体制の検討が望まれる。
実現のための要望を、関連業者毎にまとめ、関係先に要請するとともに、世論の喚起を図っていくことが重要であろう、

 

10−2 内航フィーダー網の整備

本調査の結果、内貿・外貿コンテナの併せ積みを前提とした内航フィーダー網の整備により、京浜港と東日本、及び北海道の太平洋岸諸港との海上輸送は費用的にも、陸上輸送より安くサービス提供可能なことが判明した。又、このサービス網により、地方港で問題になっている空コンテナのシフトについても、京浜港に集積できる道が開ける効果も期待できる。内貿、及び外貿貨物との併せ積みにより、配船スケジュールもデイリーサービスが可能となり、利便性も格段に向上できることも判明した。
このように、内航フィーダー網の整備は京浜港と地方港を連絡するために、極めて有用なサービス網であり、京浜港への国際コンテナの集結にも大きく貢献することが期待できる。
具体的には新フィーダー船の投入と、京浜港での内航フィーダーバースの整備が望まれる。又、この内航フィーダーサービスを円滑に運営するため、相手先となる地方港に、内航フィーダーバース機能や複合ターミナル機能の整備が望まれる。
(1)新フィーダー船の投入
内航フィーダーが活用されるには、地方港と京浜港の24時間以内での接続が求められていることが本調査で判明した。300TEU積載程度の船であれば、北海道と京浜を24時間〜36時間(苫小牧航路の場合、夜間荷役を行わないと貨物引き渡しまでに36時間必要な場合もある)で結ぶことは十分可能であり、荷主ニーズに応えられることも確認できた。既存施設の活用や大震災対策として、在来バースを前提としたコンテナ荷役用クレーンを備えた新フィーダー船の就航が望まれる。なお、実現させるにあたっては、既存船舶による実験輸送と荷主ニーズの確認を先行して行うなどの配慮も求められよう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION